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獺祭堂主人

Author:獺祭堂主人
相模之國柿生隠棲
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 9月も晦日。貧乏大いに暇ありの獺祭堂にとって、今月は珍しく多忙を極めた。
 春先に依頼があった、文芸同人誌を作ることになった。8月末に表紙の原画が、つづいて本文の原稿が届いたので、神楽坂において、編集工房の担当者と、体裁の入念な打ち合わせ。彼の技術力もあって、2日後に端正に組まれたゲラが出来てきた。2段組みで160頁。
 当初は9月15日までに校了、中5日で印刷・製本・納品という過密スケジュールであった。いつもお願いしている印刷会社では、そのスケジュールは無理であることが判明したので、川崎市中原区の老舗の印刷会社、稲栄社にお願いすることにした。数年前に『近藤忠義 人と学問』の編集をした時にお願いした印刷所である。日程的に余裕のないなか、担当の吉田さん(じつは取締役のえら~い方)は、二つ返事で、快く引く受けてくださり、期待どおりの本に仕上げてくれた。感謝感謝である。発行前なので、詳しくは書かないが、その文芸同人誌は、知る人ぞ知る著名な執筆陣で、発行ごとに「図書新聞」や「週刊読書人」などの各紙に、作品評が掲載される。力作ぞろいである(小生も毎号心待ちにしている)。発行人は古書店の店主である。その同人誌は今回で第11号になるが、獺祭堂では(出版プロデュースという立場で)初めて手掛ける。夏の間、怠け放題怠けていた小生にとって、心地よい緊張感のもとで仕事をすることができた。こちらも感謝感謝である。昨日、古書店へいき見本誌を5部戴いてきた。電車の中で開いたら、ほのかに出来たての本の匂いが漂ってきた。
 柿生の拙宅へ戻ってから『近世文学研究』第3号の校了紙と校了データのCDを整理している時に、電話があり急遽訂正が入った。すぐに編集工房へメールを入れ、修正の依頼。深夜になって漸く校了となった。今朝、校了紙に「校了」印を押した。 
 今宵は水を打ったような静けさ。いつもと同じ退屈な時間。月は出ていないが酒がすすむ。
 お断りしておくが(別に断ることもないが)小生は、医学用語である「アルコール依存症」ではない。健康のために一時は休肝日をもうけたが、すぐにやめた。お酒を呑まなかった、或る夜に、夢のなかにお酒が出てきてひどくうなされた。まるで金縛りにあったかのように。そして寝汗をかいた揚句のはてに、風邪をひいたことがあったからである。それ以来、毎晩、健康のために欠かさずお酒を呑んでいる。
 このブログもほろ酔い気分で、千鳥指に任せて書いている。誤植はあろうかと思われるが、そこはおおらかに見過ごして戴きたい。
 今宵も盃を片手に、もちろん退屈を肴に呑んでいる。

 

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 東京新聞の朝刊を開くと、1枚のカラー写真が飛び込んできた。「秋の装いで産卵へ」という見出しに、「栃木県日光市の中禅寺湖に注ぐ川では、ヒメマスが体を婚姻色に変えて遡上し、秋の訪れを告げている」とする書き出し。赤に染めた数匹のヒメマスが、水草に群がっている、色鮮やかな写真が載っている。産卵期を迎えると、体色が赤くなるのは、鱒だけではない。秋になると、鮒は「紅葉鮒」と、鮎は「錆鮎」との称され、いずれも秋の季語になっている。
      一とせの鰷もさびけり鈴鹿川  鬼貫
    鮎さびて石とがりたる川瀬哉   乙州
   川音の時雨や染むる紅葉鮒   貞徳

 古くから、俳諧では「錆鮎」「紅葉鮒」を詩材として詠まれてきた。
 魚類だけではない。木々も紅葉し、ナナカマドの実が赤く色づけば、いよいよ本格的な秋の訪れである。
 赤という色は、不思議と日本人が好む色ではなかろうか。赤、紅、茜、朱、赤銅色、雀色などいろいろある。これほど「赤」に対する語彙を持つ国民は、日本以外に何処にあろうか。日本人の、色彩感覚の豊かさを感じずにはいられない。日本人に生まれて良かったと思う瞬間である。
 そういえば、諺や慣用句にも多く「赤」を含む言葉がある。『毛吹草』の「世話」に「朱に交じれば赤くなる」の諺があり、そのほか「赤の他人」や「赤目を張る」など赤を冠する言葉は、少なくないだろう。日常生活の一齣に実感することがあるだろう。小生以外にも、身に覚えのある方は多かろう。--昨夜の言い訳はじつは「真っ赤なウソ。」だけど、ばれたら青くなっちゃう。とにかくばれないことが肝心であ~る。--それはともかく、自然界の赤、日本人における赤の色彩感覚、庶民の哲学ともいえる諺などに含まれる赤は、なにかで結ばれているように思えてならない。むろん赤い糸で。
 もうすぐ酒蔵の軒には、酒林が掛けられる季節である。今年の新酒の出来は如何に。今宵も退屈をいいことに酒がすすむ。もう顔が赤くなっていることだろう。 




  
   獺の祭見て来よ瀬田のおく


 今日は秋分の日である。昼と夜の長さが等しい日である、ということは明日からは昼の時間が少しずつ短くなってゆく。夜が長くなるとうれしい。なぜなら退屈な時間が増えるからだ。
 このブログは研究誌『近世文学研究』編集人の獺祭堂主人が、退屈に任せて思いつくままに綴る退屈日記である。退屈しのぎに拙い文章を読んで戴ければ幸いである。
 「暑さ寒さも彼岸まで」というが、今日はまさにその通りの日和。それにしても今年の夏は暑く「残暑お見舞い申し上げます」でなく、「猛暑お見舞い申し上げます」と書いたこともあった。暑さが春の彼岸まで続いたら、と心配していたが、どうやら杞憂に終わりそうである。獺祭堂主人の退屈な日は続く。






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