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    「当世学生連句」の巻

 『法政文芸』第8号が発行された。
 特集は「当世学生気質」である。特集記事の中に「当世学生連句」と題して、母校の講師を務める、浅沼璞さんが、授業で巻かれた連句2巻を載せている。
小生が印象に残ったスナップショットを紹介しよう。解説は不要だが、ともに三句の渡りがよろしい。おそらく連句に関しては(?)初心者の方が多いかもしれないが、瑞々しく付けて、前句と響き合っている。
 ただ、残念なのは、最近の学生は草食系が増えたから? か、恋の句がおとなしい。聖俳芭蕉といえども恋の句は、実に豊麗である。恋の歌は『万葉集』いらい、とりわけ閨秀が潤沢である。俳諧にしても、恋の句には優れてものが多い。

 交差点わたる者らへ鳥の声  前田徳子
  架空の空を自由に降下    熊谷万里花
 卵とく気泡ひとつは月となり   土田瞳

  さらに二年重ねたる秋       浅沼璞
 風に揺れもみぢが山をくすぐつて  足立生
  クラスみんなで舟こいでゐる   菅原知美

 「書留」によれば、講義のラスト20分は連句実作をおこなっているそうだ。
 目的は江戸の文学を読む際、あるいは俳諧鑑賞するための勘を養うためだろうか。とりわけ井原西鶴は俳人、小説家という二つの顔をもち、その文章は難解だ。談林俳諧の発想や謡曲や浄瑠璃の詞章を裁ち入れ、さらに諺を巧みに織り交ぜている。原文通りに現代語訳にすると、さっぱりわからなくなってしまいそうな、文体である。連句実作を授業で組み込み、その効果は「西鶴や芭蕉のレポートに如実にあらわれたというだけではない。ミイラ取りがミイラになったように、連句創作そのものに熱中する学生が多」いそうだ。実作体験をとおして、若きレンキストを養成され、江戸時代の文芸の中心であった俳諧が、彼ら彼女らが中心となって、ふたたび盛んになってもらいたいものだ。連句は座の文芸と言われているが、当世文音「ソーシャルメディア」を駆使して、多くの人へ発信して、レンキストが増えることを願うばかりだ。
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      祝新刊書店「B&B」本日開店
 
 梅雨が明けて、一気に夏の陽ざしになった。
  朝の弱い小生だが、朝から暑いと寝てはいられず、起きてすぐに朝刊を読む。昨日の「東京新聞」と「METRO MIN」でフリーペーパーに「B&B」が開店する記事が載っていた。うぃい。(失礼。これは、しゃっくりの音)。
 この店は、下北沢駅の南口近くのビル2階に本日オープンする。この店はブックコーディネーターの内沼晋太郎氏と「本屋大賞」実行理事の嶋浩一郎氏が計画。
 店の特長は4つある。
 1つ目は、本の配列には一部「文脈棚」を設けていることだ。最近このような棚を設ける書店がわずかながら増えてきた。今までの本の陳列は分野別・作家別で、どこの書店へ行っても同じような本が並びコンビニみたいだ。だがしかし「文脈棚」は、書店員のセンスが本選びとなって表れる。一冊一冊吟味して選ばれた本には、書店員の熱いものが感じられる。
 2つ目は、ビールを立ち呑みしながら、本を選べること。小生は幸い酒豪である。きっと、呑んで呑んで、呑みまくってしまうので、冷静に本選びが出来るか心配になってしまう。それがこの店の狙いかも。
 3つ目は、毎晩20時からトークイベントを開催するそうだ。ちなみに22日は勝間和代さんがゲスト。少し怖いかも。夏の夜にぴったり。肝試しに行ってみようかしら。
 4つ目は、店内で使用している家具(椅子や机)なども販売する。 写真で見るとアンティークな感じ。小生の書斎にいい。
 新刊書店は、2000年から毎年千軒以上のペースで閉店しているそうだ。町に本屋がない所もある。これは、これは出版ビジネスの崩壊だ。活字離れは、出版社にも要因があるが、書店にもあるだろう。やっと魅力的な書店が増えてきたが、既成概念にとらわれない、書店空間を演出せねばならないのではあるまいか。「B&B」は、そういう意味では、既存の書店とは一線を画す。今後日本の書店が変わっていくだろう。が、日々仕掛けが求められる。「B&B」へ行けば、何かやっている、とういうわくわく感のある書店であってほしい。本・ビール・イベント・家具、全く異なるものを組み合わせれば、想像外のものが生み出せる筈だ。期待してやまない。
 とは、いいつつも……。
 獺祭堂では(此処からは宣伝)研究誌『近世文学研究』を発行しているが、来年には江戸文学の書籍を刊行する予定だ。古典文学を読む人は稀だ。しかし、日本の古典文学は世界文化遺産であるがゆえに、古典文学普及を標榜し、古典文学の本を刊行していく。是是非とも「B&B」において、古典文学フェアを開催してもらいたいものだ。
 野次馬根性の小生は、夕方に「B&B」へ行くつもり。ビールの呑みに。えっ、本ではないの? それはお楽しみ。
うぃい。

電話番号03-6450-8272
 7月9日「東京新聞」の朝刊の記事に「地域振興 文芸誌が試み」とあった。
 6月30日から7月1日に、ディスカウント店の屋上で開かれたフリーマーケット。そこで「高田馬場・早稲田ミニチュア文学ストリート」を出店した。主催会場が「早稲田文学」に呼びかけたことにより「高田馬場・早稲田ミニチュア文学ストリート」のブースが実現したそうである。
 「早稲田文学」といえば、明治期に坪内逍遥が創刊したことで知られ、日本で最も古い同人誌と記憶している。書店の雑誌のコーナーには「三田文学」と隣り合わせに同誌が並んでいた。同誌は、紙媒体だけでなく、メディアミックスを以て、多彩な活動をしてきた。数年前フリーペーパーを拝読し、う~ん。と驚愕したものだった。
 このブースには早大詩人会、ワセダミステリークラブ、早稲田大学児童文学研究会、早稲田文芸、などなどが一堂に会した。また、三島賞を受賞した青木淳悟さん、現役の早大生の深沢仁さんのサイン会を実施。活字離れが著しいが、早大の多くの文学サークルが出店したことは、とても意義深くい。さらに彼らの力で、地域振興はもとより「文学元気計画」を企てて欲しい。
 早稲田は古書店の町として有名である。書生時代、小生は長いあいだ目白に住み、よく古書店へ足を運び、学恩を蒙ってきた。かつて文豪の多くが住まっておられ、早稲田という地域は、文学の土壌が早くから形成され、日本の文学界をリードしてきた。早稲田大学では文学研究会が、今も活発に活動をしている。とりわけ近世文学では、優れた研究者を輩出した。
 ここ十年ぐらいで、古書店はだいぶ閉店してしまった。古書店の代わりにラーメン屋が増えた。もう十年も経つと、早稲田はラーメンの町になってしまうのではないかと危惧する。しかし、しかし……。
 このような催しが、定期的に続くことで、地域との結びつきも強くなり、古書店街も文学も元気になるだろう。彼らの若い力に期待したい。

 

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