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 立秋が過ぎてもまだ暑い。夏は、死んだふりをして愚生は生き延びている。
 7月下旬に『俳諧無心』第六号が、浅沼さんから届いた。愚生は、ぐうたらな生活を送っていのに、こうして俳句作りに勤しんでいる人が思うと、同じ人間とは思えない。もはや愚生は人間でなくなったような錯覚に陥る。いや、錯覚ではないかもしれぬ。ぎっく。ともあれ。秀句を選んでみた。



  新樹光錆びた鉄路に耳をあて 璞
  夏蝶の地平線を可視化せり  正考
  夏の月あれば引きたくなるトリガー A子
  絶望へ恋をするたび蝉が死ぬ 有姫
  あをしぐれ背中にたくはふ航空機 塩人
  朝顔や床屋の息をひそめをり 友郁
  滝風やワイシャツの襟うらがへる 亜樹
  手で話す人四本の白い塔 桃子 
  水平線ラムネのためにある小径 澪
  竹婦人ひとり忍んで水を飲む 綾
  髪洗うときの呼吸の浅さかな 絵莉子
  夕焼や帰路と呼ぶのはあなただけ 智南美
  騒ぎだす公園のかげ夏めいて 楓
  白無垢は白々しきと七変化 四龍
  淋しさの淵腰かけて西瓜食ふ 真那美

 浅沼さんのご指導よろしく。
 璞さんの句「新樹光錆びた鉄路に耳をあて」を拝読し、愚生がまだ若かったころ作った句を思い出した。「秋が来る線路に耳をおしあてて」の句を作ったのは、もう30年ぐらい前なのに、ふと思い出たのは、何たることか。璞さんの「新樹光」と「錆びた鉄路」の組み合わせはすこぶる鮮やか。おそらく璞さんは記憶の一齣を詠んだのだろう。が、まばゆいばかりの新樹光が目に潤いを与える。なんだか目薬の宣伝のようだが。今号ではもっとも光っている句だ。
 有姫さんの世界は愚生好み。きっと美人に相違ない。
 綾さんの「ひとり忍んで水を飲む」は意味深長。竹婦人(汝は竹婦人を知っているとは、綾さんは戦中・戦後派か)を抱いて寝るのは、夏の楽しみ。竹婦人を抱くより「よろめき夫人」に抱かれたい、と思うのは愚生の限らず、璞さんも同じだろう。つまり、真夏の世の夢というわけ。※「よろめき夫人」を知らない人は三島由紀夫の『美徳のよろめき』を読むべし。
 四龍君の「白無垢は白々しきと」は正鵠を射ていて、よく女心を理解している、と感心した。その心は「七変化」というわけだが。「七変化」は紫陽花で、ジュンブライドの季節にふさわしい。そこで白無垢を連想するということになる。それをさらに飛躍させ「白々しきと」を呼び込む点は、なかなかのテクニシャン。愚生は先日、林望訳「源氏物語」を読んだが、もしかしたら君は、光源氏になれるかもしれないぞ。 気を確かに。
 手が震えてきた。そろそろ、アルコールが恋しくなってきた。とてもよき句があり、ここでは詳述できないのは残念。ではこの辺で。
 
 
 
 暑さに負けずに句を作っている姿を想像するだけで、元気をもらったような気がする。愚生の嫌いな言葉だが「継続は力なり」で、次号も楽しみしている。 


 
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