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 法政文芸』11号の特集は「古典の再創造」である。今号のインタビーは池澤夏樹氏の話は白眉である。
 池澤氏は2011年に『世界文学全集』の編集を行い、大胆な作品選定で話題になった。次いで『日本文学全集』の編集も行っている。こちらも取り上げる作家・作品は、ほかの全集とはだいぶ顔ぶれが異なる。
 このインタビューには、古典作品の現代語訳について興味深い話があり、いろいろと参考になった。かつて三島由紀夫は「日本の古典を現代語に訳するなんて冒涜である」と言っていたそうだ。しかし、池澤氏は「僕は俗な人間だから……だから(古典文学)をジーパンとセーターに着替えてもらおう」とした。この全集の古典作品の現代語訳を、比較的メジャーな作家に依頼しのは「学者がやると正確だけど面白くない。言い換えれば文体が欲しかった」と。自らも『古事記』を現代語訳したそうだ。たしか福永武彦も『今昔物語』の現代語訳がある。
 中学・高校で習う古典は、受験勉強のための授業で、ちっとも面白くない。現代人が1000年以上の前の文章を読んで、貴族が羽織っている着物や宮廷生活の様子を想像するのはまず不可能だろう。江戸時代を代表する作家、井原西鶴の作品群を原文で読み、その当時の町人の暮らしを想像する以前に、あの文体を理解するのは至難な業である。あの独特な文体の背後には、俳諧的な省略・談林独特の飛躍や謡曲や小歌のリズムは流れている。それを感じながら作品に迫ろうとするには読書というよりも勉強になってしまう。あまたの注釈書を座右に置きながら、眉間にしわを寄せ丹念に読めば少しは理解できるだろう。その代わり一番大切な作品を味わうことを放棄してしまうことになる。
 中学・高校の古典の授業のおかげで古典文学が嫌いになった人は多かろう(どうしてくれる、文科省の東大卒の奴め)。
 しかし、古典の良き現代語訳に出会い、それが面白く感じた人もいるだろう。また、漫画などを観てその作品を原文で読みたくなった人もいるだろう。古典文学の入り口は必ずしも原文である必要は全く無い。
 本書の同じ特集記事に「時めく古典アンケート」で、古典作品を翻訳することに対してどう思うか、という設問の回答で、「古典への関心を増すために、必要なこと」と肯定的な意見が多かった。愚生も同感である。入り口は何でもよい。興味があれば原文を読めばね。もし古典の現代語訳が怪しからん、というなら外国の文学の翻訳も怪しからんことになる。ロシア文学なら自力でロシア語で、フランス文学ならフランス語で、読まねばならぬ。こんなナンセンスなことは言わずもがな。ドナルド・キーンさんは『源氏物語』の翻訳を読み偉大な日本文学者になったのだ。
 ならば三島君に遠慮することなく、堂々と古典を現代語訳で読もう。話題の池澤編『日本文学全集』を読もうかしら、と愚生はふっと思ふ…が。
 その前に『法政文芸』を読むべし。若手の珠玉の文芸作品が多く掲載されている。必見ですぞ。巷間ではお歳暮の季節である。心よりお待ちしている。
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 余生をどう生きようか。愚生は考えた。
 今更のことだが、愚かなことに、愚生は今日は明日があるという前提で生きていた。面倒なことは明日に回そう、と言ったように。
 しかし、先日親しくしていた人が亡くなり、生き方を変えねばと思った、その時に細川護熙氏の『跡無き工夫』を読む機会を得た。本書は湯河原で蟄居している、元総理の細川氏の余生の生き方を綴ったものである。氏は永青文庫の理事長・陶芸家という顔をもつ。
 古典文学から感化され、吉田兼好・本阿弥光悦などの古人の生き方に、氏の独自の生き方を重ねている。
明日は御座なく候
一日生涯
 これらの言葉には、明日は無い。今日がすべて。今をどう生きるか。一日一日を精いっぱい生きること。

 愚生はこれと言って、秀でたものは無い。もちろんお金も。かと言って平凡な人生を送ってきたのではない。今まで生きてこれたことに感謝し、なにか世のために役立つことをしようと思う。安倍政権によって、国立大学は人文学を切り捨てにかかっている。大学では文学部や日本文学科と言った名称が消えつつある。将来、日本はどうなってしまうのか。古典文学離れが進んでいる昨今、やがて日本は世界に誇れるものの一つが失われてしまう。そのために、何かせねばと。
 愚生は『跡無き工夫』を読み、残りの人生は、余計な物は持たない、贅沢はしない、酒は飲むが、シンプルライフで。.

 

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