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 「東京新聞」3月14日付けの31面に「北斗星」の最後の雄姿が載せられ、センスあるレイアウトの見出しで「惜別」「ラストラン」と見ある。そして14日に北陸新幹線が開通する一方、「現役最後の寝台特急ブルートレイン「北斗星」は定期運行を終える」とあり「約三千人の鉄道ファンも詰めかけた」と。少し前までは「夜行列車」とか「夜汽車」と呼ばれていたが、実に旅愁に満ちた言葉であった。今は死語になってしまった。愚生は数年前に道後温泉に行った帰り、松山から京都まで夜行のブルートレインに乗ったことを、今も鮮明に甦ってくる。愚生のような人間は古いのかもしれん。当世鉄道ファン如何に。
 旅といえば、鉄道が宜しい。この記事を読み、内田百閒の「特別阿房列車」を無性に再読したくなった。さっそく、柿生から新宿までの小田急線の車内で読んだ。冒頭文には「なんにも用事がないけれど、汽車に乗って大阪へ行って来ようと思う。用事がないのに出かけるのだから、三等や二等には乗りたくない。車の中で一等が一番いい。私は五十になった時分から、これからは一等でなければ乗らないときめた」という、なんともユーモアのある文章だろう。この小説は用もなく東京から大阪へ、汽車で出かけるだけの話。たった、それだけのことを、ここまで面白く書ける作家は内田百閒しかおらぬ。くだらぬものが文学として、今もよみ継がれている。まさに旅は気まぐれ。
 愚生は新幹線は嫌いだ。しかしTGVは好きだ(愚生は我儘なのだ)。嫌いな理由はトンネルが多いからだ。車窓をみる楽しみを、新幹線は奪ってしまった。北陸新幹線も、おそらくトンネルばかりだろう。旅を半減させてた、路線計画をたてたJRの職員のセンスのなさに、愚生は憤りを覚えるばかり。
 と言っても…。愚生が目くじらを立ててもどうにもならん。最近は老若男女、猫も杓子も社内ではスマホばかり見て、車窓を見る人は少なかろう。今年の東京の雪景色を車内をから見て、感動をした人は皆無に等しいだろう。北陸新幹線に乗りながらスマホを見ているだけだろうね。もはや鉄道は、あくまでも移動手段にすぎぬ。旅の楽しみが変わってゆくのも仕方あるまい。もはや鉄道の旅は終わった。ただ「北斗星」が姿を消すのは寂しいだけ。
 嗚呼、鉄道員よ。「特別阿房列車」を読みたまえ。

 
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