FC2ブログ

プロフィール

獺祭堂主人

Author:獺祭堂主人
相模之國柿生隠棲
主夫兼編集者
アルコール常用者

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

お知らせ

①粋曜喫茶室編集『江戸文化カフェ』発行

リンク

獺祭堂のお客様

検索フォーム

RSSリンクの表示

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ブロとも申請フォーム

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
 「春一番」というと、キャンディーズの曲を思い出す人もいるだろう。
 今年は20日が春分の日であった。関東地方は十二年ぶりに春一番が吹かなかったという。それが新聞の記事になってしまう。何と穏やかな国民だろうか。
 春一番は、立春から春分の間に南寄りの強い風を指す。春一番と対峙するのが凩になるであろう。
 何年か前に、イギリスに住む友達と会い、季語の話になった。日本では「雨」に関するボキャブラリーが数十あることを言ったら驚いていた。イギリスでは、雨は「rain」しかないということらしい。もしかしたら、広いイングランド中を探せば、他に呼び名があるのかもしれないが。彼らにとって日本は特異に見えるのだろうか。
 春に吹く風に「春一番」「薫風」だなんて、誰が命名したのか。と思いたくなるけれど、やはり春一番が吹かないと、どことなくもの足りない。季節の訪れは、まず風が運んでくれるからだろうか。
 今朝、老舗の出版社のA社から、近日中に廃業するとの連絡があった。そこのA社は、古くから文庫本を刊行していた。
 文庫や新書は、まず雑誌等に連載され、それが一冊分のボリュームになると、単行本となり、さらに数年後に文庫や新書になっていく。
 つまり雑誌では原稿料を、単行本になると印税を、さらに文庫本でも印税が、著者に発生していた。一粒で二度おいしいのはグリコだが、こちらは三度おいしい。 だがしかし……。
 このような過程を普遍化させたのは、江戸時代の初期の書肆である。最初は大本で刊行し、のちに普及版として(横本)刊行された。今の出版社は、こうした伝統を踏襲している事になる。これが王道なのである。 だが、最近はいきなり書き下ろしの文庫が増えてきている(これを邪道とは言わないが)。低価格化が狙いである。しかも売り切ると重版はしない。大手の版元は、それを電子化にする。出版形態が変わりつつある。
 廃業を決めたA社は、三十年まえから、いきなり書き下ろしを文庫本として刊行し、廉価で提供してくれた。ゆえにA社は若者の支持を得ていた。良心的な出版社が相次いで廃業していく。今年は相模之国には春風は吹かなかった。
 嗚呼、A社は風になってしまうのか。
スポンサーサイト

<< 祝短歌総合誌「うた新聞」創刊 | ホーム | 春めいて…主夫めいて >>

コメント

コメントの投稿

URL:
本文:
パスワード:
非公開コメント: 管理者にだけ表示を許可する
 

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)


 ホーム 


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。