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 句集『花行』は2000年9月10日ふらんす堂から刊行された、フランス装の文庫版の句集である。清楚な装丁で、紙の選び方といい、編集者のセンスが光る造本である。
 跋文によれば、20世紀最後の花を見届けようと、著者が上野、千鳥が渕を皮切りに、京都、初瀬、大宇陀、吉野、弘前、角館をめぐり、旅のなかで詠まれた花の句、さらに50年に亘って詠まれた花の句を収録したのが句集『花行』である。本書の題名は吉野山の西行庵跡を訪ねた折「吉野山梢の花を見し日より心は身にもそはずなりにき」「佛には櫻の花をたてまつれわが後の世を人とぶらはば」の歌を思い出し、旅の空で花と対話をし高橋さんは「上人にとつて花を見ることも行だつた」と悟ったことに由来する。
 高橋睦郎さんは日本を代表する詩人であるが、短歌や俳句を詠み、定型詩の可能性を模索し、さらに新作能を手掛ける。それらは精緻で、卓越した審美眼をもって語られている。小生が書生であったときに、原稿を受け取りに、そのころ住まっておられた経堂にあるご自宅(洋館)を訊ねたことがあった。また、或る時は有楽町や伊勢丹美術館の「ダリ展」の会場でお会いしたことを思い出す。大きな升目の原稿用紙に、几帳面な文字が書かれていた。高橋さんは、最初は近づきがたいような、どこかしら、神秘的な雰囲気を持っていたような気がした。話をしているうちにやさしい眼差を向けてくださったことが印象にある。

  夕顔の白きより暮れ暮れ残る
  小町の花西行の花飛んで迅し
  身に添はぬ心や空に咲きつげる
  
 夕顔の大輪の花の白、夕暮れ時に見せる表情。薄暮になりつつあるなか、白い花弁はいっそう白が映える。そこに咲く花は、目の前に咲くばかりか、いにしえ人の面影にそっと寄り添って咲く。花は空無そのものである。





花行
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