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 11月1日は「古典の日」である。寛弘5(1008)年11月1日付け、紫式部の日記に源氏物語に関する記述が、初めて登場したことによるものらしい。といいつつ、小生はこの日初めて知った。『古事記』編纂されて今年は、1300年目にあたる記念すべき年であることも、『サライ』という雑誌で最近知った。
 古典の日から田中善信著『芭蕉 「かるみ」の境地へ』(中公新書)を読み始め、文化の日に読了した。
 「あとがき」によれば田中氏は大著『全釈芭蕉書簡集』を執筆中に「従来示されてきた芭蕉像とは少し異なった芭蕉像が、 私の脳裏に形成された」ことが本書を執筆の動機の一つになっているという。『全釈芭蕉書簡集』は小生も持っているが800ページをはるかに超える書である。書簡のあの分からぬ分をやさしい現代語訳で書かれている。またその手紙が書かれた背景にも触れておられる。お薦めの本である。
 『芭蕉 「かるみ」の境地へ』の簡単な目次をあげると、次の通りである。
プロローグ
第1章 江戸へ出るまで
第2章 江戸俳壇と芭蕉
第3章 失意と転生
第4章 旅の始まり
第5章 『笈の小文』の旅
第6章 『おくのほそ道』と『すみだはら』
エピローグ

 芭蕉に関するものは、古くから数多の優れた本が今までに上梓されてきた。本書もその一冊であることは言うまでもない。
田中氏は従来の芭蕉像を鋭くメスを入れた。プライベートの書簡を丹念に読んでそこから受けた印象と、多くの資料を考証し、それらを総動員して、想像力を働かせて、築き上げた。芭蕉は「俳聖」と、今も昔も仰ぎ見られているが、実像は生前中に書かれた書簡を読めば江戸庶民とそう変わらぬ、そんじょそこらにいるようなおっさんを芭蕉の素顔とした。お酒が好きで、話好き。当世風に例えれば、カラオケではマイクをなかなか離さないよな、社交的であったと。また寿貞は芭蕉の内縁の妻とも。
 だが、俳聖という冠を被らされて、芭蕉は、さぞかし迷惑をしているのではなかろうか。とまれ、こうした人物像は、芭蕉の評価を下げるものではない。樹立した功績は文学史に燦然と輝く。
 芭蕉は、伊賀上野に住んでいた頃から、江戸に下るまでの期間、不可解のことが多い。
 他の本では簡単に書かれているが、本書ではそこの辺りを詳しく説かれている。
 読書の秋。となりは何をする人ぞ。小生は、お酒を呑みながら本を読むことが、毎晩「古典の日」である。

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